日本海に抜けた台風7号の影響で、静岡県内では16日にも大雨が降り、東海道・山陽新幹線は朝から一時全線で運転を見合わせた。前日の計画運休などで、この日に振り替えた乗客も多く、急な立ち往生に困惑し、疲労もにじんだ。
静岡県三島市にあるJR三島駅では、新幹線のぞみの車両が停車していた。
「なんとか間に合えばいいのですが……」
40代の女性は、甲子園で熱戦を繰り広げる高校野球の試合をタブレットで見ながら、運転再開を待っていた。千葉県代表・専大松戸高校の保護者だという。午前8時前に東京駅を出発し、この日の第4試合に出る同校を応援しようと向かっているところだという。
自由席付近で立っていた岐阜市の女子大学生(19)は東京から帰る途中。前日に帰宅予定だったが、計画運休で断念し、この日に変更したのに、立ち往生。
「こんなことになるなんて。午後に予定があったけれど間に合いそうにないです」。困惑していた。
三島駅ではホーム側の線路だけでなく、追い越し用の通過線にも車両が並んでいた。車内販売はすべて売り切れるなか、停止してから約3時間半後には、車両間に渡し板が架けられて、乗客が移動を開始。大雨が降るなか、足元に気をつけながらゆっくり歩いて隣の車両へ移動。ホームで飲み物や食べ物を買うなどして待機を続けた。
運転を再開したのは午後1時37分。約5時間が経過していた。
全国の各駅でも混乱が続いた。
午前11時ごろ、JR東京駅は、スーツケースを引く多くの人で混雑していた。
「運転再開まで相当の時間がかかります」
アナウンスに、利用者からはため息が漏れた。
熱中症への注意を呼びかけるアナウンスも流れ、ストレッチャーを押す救急隊の姿も見られた。
京都府から旅行に来ていた会社員の河合由美さん(67)は「昨日で台風がいなくなると聞いていたのに、当てが外れました」。スーツケースに座り、スマホで雨の予報を何度も確認していた。
「どこで時間をつぶしていいかわからない。もし東京でもう1泊するとして、ホテルに空きはあるのでしょうか」と不安そうだった。
単身赴任で千葉県在住の会社員王建文さん(40)は、中国から来日している妻子とともに4泊5日で関西に行く予定だった。娘(9)は「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(大阪市)や京都の寺社を楽しみにしているといい、「一刻も早く大阪に行きたい」。
「暑い。早く帰りたい」 名古屋も大阪も博多も…
JR名古屋駅では新幹線の改…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル